名古屋港水族館観察日記

マダコ

tako1.jpg★世界各地の熱帯・温帯海域
★甲殻類や二枚貝を食べる
★腕を含めた体長は約60cm
★南館・日本の海にて展示










日本でタコといえば大抵このマダコを指すほど、我が国では一般的なタコです。名古屋港水族館では日本の海コーナーに展示してあり、その展示用水槽の中には穴の開いたパネルが一緒に入れてありました。穴の形はいろいろで、どの穴からマダコちゃんが出入りするのか?ということのようですが、私はまだこのパネルの穴にマダコが出入りするところを一度も見たことがありません。



水槽内のマダコが出入する穴の大きさですが、え?こんなに小さくても出入りできるの?と思ってしまうくらい小さいものです。そんな小さな穴からも自在に体を出し入れできるほどマダコの体は柔らかいということでしょうね。また、マダコの皮膚には色素細胞がたくさんあり、環境に合わせて色を変化させます。その色の変わり方は本当に一瞬で、見ていてとても面白いです。でも一瞬で色は変わるわ、体の形はグニャグニャだわ、なんだか怪しい生き物だと言えなくもありません。西洋では悪魔の使いとして描かれる意味もわかるような気がしますね。



マダコは基本的に夜行性で、昼間は海底の岩穴や岩の割れ目にひそんでいます。名古屋港水族館で見かけるときも家の中に隠れていることが多いです。でもこのマダコちゃんの家。一定時間ごとにフタが開くしくみになっていて、水槽の前でしばらく待っていると家の中でくつろいでいるマダコの顔を見ることができますよ。



マダコは腕で食べ物となる甲殻類や二枚貝を絡め捕り、毒のある唾液を注射して獲物を麻痺させます。それからとても強力な吸盤の力で硬い殻をこじ開けて獲物を食べます。この獲物を麻痺させるための毒は人間に対しても強い作用を起こす性質のもので、マダコに噛まれてしまったときはかなり長い間痛みが続くのだそうです。





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ハナガサクラゲ

hanagasakurage1.jpg★本州中部から九州沿岸のやや深い海
★小魚を食べる
★傘の大きさは直径10~15cm
★南館・日本の海にて展示










ハナガサクラゲは黒潮水槽の向かって左手にあるトンネル水槽をくぐった左側にあります。ここではハナガサクラゲ以外のいろいろなクラゲを見ることができて面白いですよ。ハナガサクラゲは漢字で書くと「花笠水母」。なんだか優美な感じがします。このクラゲを美しく感じるのは外国人でも同じらしく、種小名のformosaはラテン語で「美しい」という意味なのだそうです。



ハナガサクラゲはブラジルやアルゼンチンにも生息しています。傘の内側に見える橙色の十文字型のものは生殖腺です。傘の外側にある黒っぽい縞模様は触手、黄緑やピンクの蛍光色は傘の表面から生えている触手の先端の色です。この蛍光色がとても目立ってきれいですよね。こんな姿でふわふわと踊ったらどんなにきれいかと思いますが、このクラゲが泳ぐのは夜間や明け方。なかなか水族館ではお目にかかれません。その泳ぎ方は傘の縁から触手を伸ばしてふわふわとといった具合で、その様子はまるで「花笠音頭」のようなのだそうです。名前の由来そのままですね。



基本的に海底にいるクラゲなので海上からその姿を見ることはまずできません。しかも飼育下ではエサの魚を自分で食べないのだそう。そのためエサのときには水槽から一旦揚げてひっくり返して口へエサを押しこんで与えるという手間のかかり具合。確かに名古屋港水族館で見たものも水槽の下にのべーっとヘタリ込んでいました。底引き網にかかったものが水族館に持ち込まれることがよくあるのだそうです。



とても綺麗なクラゲではありますが、「綺麗な花には毒がある」の通り、このクラゲも毒を持ちます。その触手に毒を持ち、それによって小魚を捕らえて丸のみしてしまいます。人が激痛を感じるほどの毒ですが、人での死亡例はこれまでにありません。




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ウリクラゲ

★世界各地
★同じ仲間のフウセンクラゲやカブトクラゲなどを食べる
★大きさは15cmほど
★南館・日本の海にて展示









キラキラの模様が光りながら動く様子がとてもきれいなウリクラゲ。この虹色に光って見える部分は小さな櫛板が光に反射しているからで、自身で発光しているわけではありません。形もウリそっくりで、脚もないし一般的なクラゲのように傘もないしどうやって泳ぐのか不思議に思っていたのですが、この櫛板が実は繊毛の集まりでそれを上手に動かして泳いでいるのだそうです。



このウリクラゲは同じ仲間のフウセンクラゲやカブトクラゲを食べます。普段は閉じているその口が獲物を見つけるとがばっと開き、するっと食べてしまうのだそうです。自分と同じくらいの大きさの獲物なら一飲み。自分よりも遥かに大きな獲物だとしても、ヒルのようにその体に貼りついて食べてしまうとか。ときには共食いすることもあるようで、食事後のウリクラゲはパンパンのまんまるになってしまうのだそうです。キラキラときれいな見かけによらず、結構獰猛な性質のようですね。



クラゲというと刺されるといったイメージがありますが、このウリクラゲは刺しません。毒も持ちません。一般的なミズクラゲやエチゼンクラゲなどの刺胞動物とは異なるグループとなり、有櫛動物と呼ばれるグループに入るものです。この有櫛動物と呼ばれる仲間のクラゲはみな体が光る構造になっており、その光り方や色の具合はそれぞれの種類のクラゲが生活している環境やエサなどによって適したようになっています。名古屋港水族館で展示されているものは、水族館すぐ前の海で採取されたものです。こんなにきらきらと不思議な光をはなつ生き物が、こんなに身近にいるだなんて驚きですよね。



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ドフラインクラゲ

★北海道から四国沿岸
★動物プランクトンを食べる
★傘高約1から2センチ
★南館・日本の海にて展示










ドフラインクラゲ。なんだかインパクトのある名前ですが、その由来はドイツの動物学者フランツ・ドフライン博士が発見したからなのだそうです。傘高わずか1~2センチのとても小さなクラゲなのですが、春に大発生を起こすことがあって水族館にも大量に展示してあることがあります。ふわんふわんと優しい様子で泳ぐので、眺めていると癒されます。



ドフラインクラゲの膜はものすごく薄く、放射管や生殖腺は完全に透けて見えます。こんなに小さな体なのに、触手の数は多いですね。4群に分けられる触手は、各群で最高30本もあるのだそうです。小さなクラゲは意外と強い毒を持っていることもあるようですが、ドフラインクラゲはそうでもなくその毒性は薄いです。危険のないクラゲだと聞くとますますかわいく見えてきちゃいますね。



名古屋港水族館のある名古屋港にもこのドフラインクラゲは冬から春にかけて普通に見られるのだそうです。
波に揺られて漂っているときは長く伸ばしているその触手も、自力で泳ぐときは縮めるのだそうです。とてもかわいいクラゲなのですが、触手が縮んでいるとなんとなく「子泣きジジイ」に見えてしまうのは私だけでしょうか(笑)





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シビレエイ

sibireei1.jpg★本州中部~東シナ海、中国
フィリピンの沿岸部

★大きさ
★寿命
★南館・日本の海にて展示








シビレエイは水深50m以内の砂泥地に生息しており、名古屋港水族館で展示されていたものは、三重県で採取されたものなのだそうです。頭の両側に発電器官があり、70から80ボルトの電気を発生させることができます。その電気によって小魚や底生動物を食べると言われていますが、名古屋港水族館では実際にそのような行動が見られたことはありません。野生下では小魚が4cm以内の距離に近づくと、それを包み込むようにジャンプして放電をし、そのときに半径15cm以内の小魚はみなけいれんして動けなくなるのだそうです。



繁殖は卵でなく子どもを直接産み、大抵は4~6匹産みます。体の色は黒褐色~赤茶褐色で、背中に黒っぽい斑点があるのが特徴。一日の大半を砂に潜って生活しているようで、名古屋港水族館でも下の写真のようにほとんどの個体が砂に潜っていました。目だけがぎょろぎょろとしているので、隠れていてもどこにいるのかはわかります。子供と一緒に何匹いるか数えたりして、楽しめました(笑)



電気を発する生き物というとちょっと怖い感じですが、砂の中にもぐって隠れている様子はなんだかかわいらしかったです。同じ電気を発するデンキウナギなんかはフランケンっぽいちょっと怖いルックスをしていますが、こちらのシビレエイはそれと比べてもひょうきんなイメージです。エイならではの丸っこい,
うちわのような体つきのためかもしれませんね。



定置網にかかることもあるのですが、食用とならないので市場に出回ることはありません。身には水分が多く、煮付けにすると身がぽろぽろと外れ、あまりおいしいものではないのだそうです。




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